スタッフ紹介 Staff

利用者さんの食文化へのリスペクトを忘れず
「美味しかった」と言っていただける料理をめざす

川原 恵(入社4年目)

Megumi Kawahara

調理部

調理員

調理員の仕事は、利用者さんとスタッフさんの昼ごはんをつくることです。週3、4回くらい、荒井か郡山賀庄のどちらかで料理をつくっています。大切にしていることは、利用者さんの食文化をリスペクトする気持ちと、旬の食材を生かし、食材のもつストーリーを大切にすることです。初めて入った介護の職場で、失敗すること、悩むことは多々ありますが、お互いを尊重し合える職場で、仲間と支え合いながら、利用者さんに「美味しかった」と言っていただける料理を提供できるよう頑張っています。

介護の世界で憧れの料理の仕事を始める
現場は驚きと学びの連続

料理の仕事に憧れがありました。ポエムで働くようになったのは、友人に誘われたことがきっかけです。子育て中でしたが、普通の家庭料理でいいと言われ、アルバイト契約でシフトの自由度が高く働きやすいこともあったので、引き受けました。

調理員になって今年で4年目ですが(2021年3月時点)、慣れるまでは大変でした。調理師の資格をもっているわけでもなく、介護食の勉強もしたことがなかったので、とにかく無我夢中、試行錯誤、勉強の連続でした。

食べ残しが多いときがあって、どうしてだろうと思い、周りのスタッフさんや利用者さんに話をうかがうと、食文化の違いが原因だということがわかりました。郡山は醤油ベースの濃い味の文化ですが、私は愛媛出身で味付けが薄口なので、口に合わなかったようです。

介護食というと、やわらかく、小さく刻んであって食べやすいものというイメージをもっていましたが、利用者さんが自分で箸を使って切れるくらいの硬さがいいと言われたときは、新鮮でした。箸を使うことがリハビリになるんですね。たとえば、和風ハンバーグの餡かけならば、家庭でもスプーンを用意すると思うのですが、リハビリのためにあえて箸だけで提供したほうがいいと教えていただき、勉強になりました。

利用者さんの食文化や、食材のもつストーリーに
心を開き、耳を傾け、想像力をもつ

調理をするときに大切にしていることが2つあります。

一つは、利用者さんの食文化をリスペクトすることです。その方がどのようなものを食べてきたか、何が好きで何が嫌いかをちゃんと知ったうえで、料理を提供したいと考えています。美味しいものをつくることよりも、食べる人へのリスペクトの気持ちをもって料理することのほうが大切だと感じています。

食事をテーブルまで運ぶときや食器を下げるときに、利用者さんが何気なく伝えてくれる「美味しかった」「これって○□でしょ。子どもの頃によく食べたよ」といった感想は、しっかりと聞くようにしています。
好き嫌いはどうしてもあります。洋食を出しても食べ方がわからないという利用者さんがいらっしゃいます。そういうときには、献立を少しアレンジして和食の要素を盛り込むとか、できるだけ利用者さんの食文化、好みを尊重するように心がけています。

利用者さんがどういう生活をされてきた方なのかや、利用者さんのご両親がどういう生活をされてきた方だったのかも、その方の食文化を知るうえで大切です。いろいろ考えすぎて妄想が止まらなくなることもありますが、想像力というか、心は開いておきたいと思います。

もう一つ、大切にしていることは、彩りよく、色や香り、食感など五感にはたらきかける旬の食材をできるだけ使うことです。さらに、その食材のもつストーリーを活かせたらいいなと考えています。

郡山に来て12年になりますが、東北の食文化の豊さには驚かされます。厳しい気候を生き抜くための知恵とか、どういうときに食べられたものだとか、食べ物にまつわるストーリーは聞いていて面白いですね。もっと東北のことを知って、それらを献立に盛り込んでいきたいです。

立場に関係なくお互いにリスペクトし
支え合える仲間がいるから続けられる

新型コロナウイルス感染症が流行りだした頃に、いつもと同じ感染予防策では十分ではないと感じました。それで、感染予防策を変えていただけるとより安心して仕事ができると社員の方に伝えたところ、「言ってくれありがとう」と言われて、対応していただけました。アルバイトの立場でも、思うことを言える。そして、どんなに小さな声でも尊重し、しっかり聞いて、すくい取ってくれる。そういうところが、ポエムのよさだと感じています。

仲間にも恵まれていると思います。調理員はいま全部で8人います。メンバー構成は多様で、70代後半のベテランの方もいれば、私たちのような40代もいます。世代間交流ができて、楽しいですし、勉強になります。隔月くらいで調理員が集まる会があって、利用者さんの好みの情報交換だったり、メニュー開発だったりをしています。たわいのないおしゃべりのなかからアイデアが生まれるってこともあります。

わからないことがあったら、調理員の仲間やほかのスタッフに相談しています。この硬さ、この味はどうでしょうかって助けを求めながら、教えていただきながらなんとか仕事をしています。
仲間がいるから、この仕事を続けていられると感謝しています。